ビール製造に必要な麦芽とホップの役割とは?

この記事ではビール作りに欠かせない、麦芽とホップの役割について解説しています。ビールが好きな人なら麦芽とホップの存在を知っている人も多いと思います。でも実際にどのような役割をしているのか知らない人も多いのではないでしょうか?麦芽、ホップとは何なのか?ひも解いていきましょう。

麦芽の役割とは?

ビールにおける麦芽の主な役割は、味、色、アルコール、炭酸などビールの軸となる部分を作るところにあります。とても重要なファクターです。

ビールの原料は麦ということは知っている人は多いと思いますが、麦に芽を生やした麦芽を使用することは知らない人も多いのではないでしょうか?

この麦→麦芽にすることがものすごーく大事な部分なんです。

麦を麦芽に変える工程を製麦(せいばく)と言います。麦に水を与えて芽を出させます。
なぜ芽を出させるかというと、酵素という物質を産み出すからなんです。この酵素がとても重要で、麦芽内のでんぷんを糖分に変える働きを持っています。
この糖が後の工程で入る酵母菌によりアルコールと炭酸ガスに分解されます。ビールに必要なアルコール、炭酸はここから作られるんです。
アルコールと炭酸ってあとから足す訳じゃないんです。麦芽ってスゴいですよね!

おまけで麦芽になる前の麦の話を1つします。

いきなりですが問題です。麦と言えば!小麦、大麦、ライ麦などいくつか種類がありますがビールで麦芽にするための麦はどの麦を使うでしょうか?

チッチッチ…

ブー!

はいー時間切れです!
答えは大麦です。小麦を使うビールもありますが、ビールの麦芽は基本的に大麦を使用します。大麦の中でも主に二条大麦を使います。ビール作りに必要なでんぷんを多く含むからです。

【余談】
六条麦茶というのをよく聞きますがこれは六条大麦を使用している麦茶のことです。六条大麦はタンパク質を多く含み、でんぷんが少なめなので、麦茶にした時に香ばしさ、苦味をより楽しめるようになっているそうです。

っと話を戻しまして…
無事芽を出した麦はそれ以上成長しないように熱風を送ります。

これを培燥(ばいそう)と言います。この時、熱をある程度加えてロースト(焙煎)していくと完成時のビールの色が濃ゆくなっていきます。スタウトやポーターというビアスタイルはこのローストした麦芽を使って黒系のビールになります。ビールの色や香りはこの麦芽の火の入れ方で大きく変わってきます。

ちなみに麦芽のことをカッコよく言うとMALT(モルト)と言います。ただ英語で言っただけですが(^^)

プレミアムモルツとかのモルツはここからきていますね。

このビール、けっこうモルティだね。

なんて言えるようになってきたらあなたはもう立派なビール人です。

このモルトも先程のロースト加減でいくつかの種類が作られます。チョコレートモルトなどビールにチョコ風味を加える面白いものもあります。違うモルトのビールで飲み比べしてみたいですね!

この先の工程で麦芽を粉砕し、液状にしていきます。いよいよビールに近づいてきました!次は『糖化』や『マッシング』という作業になりますのでまた別の機会に紹介したいと思います。

ホップの役割とは?

それでは次にホップの役割について解説します。

ホップという言葉、よく聞きますよね。ビールの銘柄にも使われていたりしますし。ホップはビールに苦味と香りを付ける働きがあります。ビールらしさを出すとても重要な原料です。

ただ、ホップってよく聞くけど…一体なんなの?

と思っている人も多いと思うのでホップ自体の説明もしていきたいと思います。

知らな人も多いと思いますが、ホップは植物です。アサ科のつる性植物で↓こんな形をしています。

成長が早く1年で8m伸びるそうです。すごく成長が早いですね。実際にビールの原料となるのは雌株(めかぶ)の方です。

またホップは和名をセイヨウカラハナソウと言いうそうです。

ホップは大きく2種類あって、

  • 香りづけが得意なアロマホップ
  • 苦みづけが得意なビタリングホップ

があります。

香りを強味とするのか、苦みを強味にするのかで選ばれるホップが変わってきます。

ホップ加える行程はビール作りの中盤くらいになります。

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